オプション取引の勝率と効果

オプション取引を行っている投資家の間では、オプションを売る方がよいのか、買う方がよいのかという話が出てきます。
オプション取引の売りからか、買いからか、という問題は、株取引や先物取引のような売り買いの判断、いわゆる相場に対して強気なのか、弱気なのかという精神論的なものよりも、もっと実利に即したものになります。
オプションを売る取引きと、オプションを買う取引きとでは、その方法論から取引手法までもが、まったくの別物であるような違いがあるため、相場の動向や、そうした思い切りなどで決まる物ではありません。

では、実際にオプション取引を行う場合には、売りのオプション取引と、買いのオプション取引とを比べた場合には、どちらが良いのでしょうか。

アメリカの株券オプションでは、市場で取引きされているオプションの内、実際に権利施行が行われているのは、全体の17%でしかない、という数字があります。
つまりこれは、80%以上のオプションは権利施行されることなく、権利放棄時間を迎え期限切れになっているという事になります。

そのオプションが本質的な価値を持っていない、アウト・オブ・ザ・マネーの状態に陥っているものに対して、本質価値を持たせるためには、あらかじめ予測していた方向に相場が大きく変動する必要があり、相場の動きを鑑みてもオプションの売り手の方が有利であるという事は明らかになります。

また、相場の状況やその相場価格の変動であるボラリティーに合わせて、戦略的な売り取引を行っていけばこの勝率を9割以上にすることも充分に可能であると考えられます。

しかし、この勝率の高さだけを求めていっても、また別の問題が引き起こされる可能性があります。

利益を得た取引回数とそう取引回数を比べ、その勝率が9割以上であったにもかかわらず、そこから得られる利益が思ったよりも少なく、利益率という面で考えれば良くない結果に陥ることもあります。
これは、売りからのオプション取引の特性上、一回の負けの取引きが、数回分、もしくは数十回分もの勝ちの取引きの利益を相殺してしまい、利小損大という、投資取引にとっては最も資産を増やしにくい状況に陥ってしまう事もあるのです。

もちろん、こうした売りからのオプション取引でも、大きすぎる取引は行わず、マネージメントに徹底することや、相場の変動幅が高く有利だと思われるときにのみ取引きを行うなどのを行い、充分に利益を上げる投資家もいるのですが、大切なのは、買いのオプション取引か、売りのオプション取引か、なのではなく、いかに効率よく利益を得ていくか、勝率を上げるのではなく利益率を上げていくのか、という事を考えるのが大切なことなのです。

これは、投資取引、資産運用を行っていく上では、一番初めに考えるべき事柄なのですが、勝率にとらわれてしまい、買っているのに資産を失っていく投資家は、意外に多いのです。

こうしたことを踏まえたうえで、買いからのオプション取引を考えると、勝率という面では売りからのオプション取引には劣るものの、利益率という点では大きく伸びていく事が多く、これにより取引失敗の損失を補って大きな利益を掴むことができるのです。

このように、売るオプション取引であっても、買うオプション取引であっても、その両方に一長一短があり、大切なのはこれをしっかりと見定め、勝率よりも利益率を重視して取引きを行っていく事になるでしょう。